みなし弁済は、貸金業規制法の第43条のことをいいます。これは、43条の条件を満たしている場合は、利息制限法を超える金利であっても認める、つまり、グレーゾーン金利を認めるという規定で、借主債務者側にとっては頭が痛い規定です。
ただ、2006年に最高裁判所においてみなし弁済を否決する内容の判決が下りたため、原則としてみなし弁済の成立が認められることは極めて少なくなっています(過払い金請求ができます)。
それでは、その具体的な5つの条件を見ていきましょう。
1、貸主である金融業者が貸金業登録業者であること
いわゆるヤミ金は登録を行っていないため、認められません。
2、貸主が借主(債務者)に対して契約時に法定の契約書(17条書面)を交付していること
各金融業者の商号、名称、住所、契約年月日、借金の金額と利率、返済方法、返済期間、返済回数など、17条で定める各事項が1枚の用紙に記載されていなければなりません。
3、貸主が利息を受領したとき法定の領収書(18条書面)を交付していること
各金融業者の商号、名称、住所、契約年月日、借金の金額、受領金額とその利息、賠償額の予定に基づく賠償金または元本への充当額、受領年月日などの記載が必須になり、1項目でも抜けていれば認められません。
4、借主が任意に利息として支払ったこと
契約時ではなく支払い時の意志において、任意でなければ認められません。
5、借主が利息と認識して支払ったこと
ATM返済で、元金か利息かわからず支払った場合は認められません。
貸主が、みなし弁済規定により、グレーゾーン金利の正当性を主張するには、以上の条件を満たしていることを主張、立証する必要があります。